正義も闘う
いつもお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
最近ハマっている作家「久坂部羊」さん。小説家であり医師でもある久坂部さんの書く医療小説がツボにはまってしまいました。
今回読んだのは「悪医」。2013年の作品で、第3回日本医療小説大賞作品。医師とその患者の心境を同時進行で綴っていく内容でした。
病気の再発で治療中の男は52才。彼は完治を信じて闘病生活を送っていたが、医師から告げられた事は＜これ以上、投薬も利かず治療の方法が無い＞という事。薬を使っても副作用の方が強く体力を消耗して、かえって寿命を縮める結果になるから、体力があるうちに、自分のために時間を使うべきで、苦しい治療のために残りの人生を使うべきではない、と医師は言います。
医師としては、何人も薬の副作用に苦しみ、消耗して亡くなっていくところを見ているので、患者の為を思ってそのように勧めたのだけど、病人の男の方は「それは、私に死ねと言うのと同じだ！」と激昂して診察室を飛び出してしまいます。これが冒頭で、この後、二人はそれぞれに苦悩をしていきます。
患者の男のキャラクター設定は、生真面目だけど、世の中をひねくれて見ている批判家要素がかなり強め。更に曲がった事が大嫌い。例えば、権威のある人がコネを使って順番抜かしをする事など言語道断。当然、自分にもそういう”卑怯”なマネは禁じています。
医師の方も基本的な性質は似ていて、でも、少しだけ患者の男よりも、自分がどう在るべきか？を自分に問い続けています。なので、結局のところ、お互いの正義を通した結果、苦悩している状態。
主人公二人の基本性質が似たようなキャラ設定ですが、患者の男性の方の気持ちはわかるが、そりゃ被害妄想が過大すぎるでしょ？と思う思考回路。社会に裏切られ続けてきたので、相手が自分を痛めつけたり、蔑んだ気持ちで言っているのではなく、自分の事を思って言ってくれている、という思考に欠けている。いわゆる被害者意識の強い人。人生の背景を見れば、そういう気持ちになるのもわかるけど、年齢的に、もうちょっと相手の思いやりについてもフォーカスすべきじゃありません？？？と思いながら読んでいました。
医師の方も同じです。医療の現場を見続けて、治療で地獄を見るよりは・・・と思う気持ちもわかるけど、それは自分の考えを押し付けるだけ。苦しい治療の時間を過ごすより、楽しい時間を過ごした方が充実するという価値観を曲げないだけ。なので「死んでもいいから治療をしてくれ！」と本末転倒な事を言う患者の理解に苦しみ続けますが、何を持ってその人が「充実するか？」までは指図できないんだよね〜と思いながら読んでいました。
真面目で頑張り屋の人に、治療をやめるという行為は死刑宣告に近いと思います。運命を受け入れ、穏やかな気持で死を受け入れる方が充実しているように思いますが、頑張り続けた人にそれは通用しません。だって、頑張る事が生きがいなのですから。頑張って自分が助かる治療法を見つけ、苦しくても治療を続ける事が「私は諦めずに戦った！」というプライドを保つ事になりますから。
人生に正解はありません。だからこそ、ああすればよかったのか？これで間違ってないか？と迷いが生じます。ここに、自分の選択に対する自信があれば（自分を信じる事ができれば）、どんな結果であっても後悔はありません。しません。
このお話し、最後は自分は医師から見捨てられた、と恨みを抱いていた患者が、偶然「宣告した医師」の「苦悩」を知ります。自分の事など忘れていると思ったのに、その事でずっと思い悩んでいてくれた事に恨んだ心が解け、感謝に変わります。その人の死後、感謝の気持と闘病について思う事を録音したテープが医師の元に届き、医師は欲しかった答えをそのテープで悟ります。そして自分の医師としての方向性やポリシーを見出しました。
最近、涙腺の弱くなった私は、この結末にホロリでした。映像で泣くならまだしも小説で泣くなんて！と思っていましたが、ここ最近、小説にも泣かされているあたり、私の価値観も買えなくては^^;
なぜ、この人の小説にハマったのかな？と考えてみたのですが、私が大好物とするタイプの心の動きが繊細に描かれているから、と気が付きました。心理描写を学ぶには小説が素晴らしい教科書となります。死と向きあう話なので、好き嫌いはあると思いますが、この本、オススメです。久坂部羊さん、オススメです。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
運命学を味方につけて魅力を活かす。
運命学は生年月日から観る東洋の占術です。
自分の性質をより良く知る事ができます。
自分の性質をより良く知れば、自分を
機嫌よく活用できるようになります。
★魅力を引き出せます。
★強みを活かせます。
★人生が快適になっていきます。
更に、運氣運勢を知る事で人生の波を
無理なく活用できるようになります。
★自分のチャンスがわかる
★開運方法がわかる
★対処法がわかる
★☆ 自分を知る ★☆
運命学プチ鑑定書はこちら
★☆ 人生の波を知る ★☆
バイオリズム（運氣運勢）はこちら
★☆ お悩みに直接お答えする ★☆
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使命星を知ると、人生の満足度が上がる
方向性が見えてきます。
自分らしく生きる方向性が見えてきます。
ご活用ください。
使命星解説書 2,500円（税別）
お申込みはこちら
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是非、ご活用くださいね。
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医師としては、何人も薬の副作用に苦しみ、消耗して亡くなっていくところを見ているので、患者の為を思ってそのように勧めたのだけど、病人の男の方は「それは、私に死ねと言うのと同じだ！」と激昂して診察室を飛び出してしまいます。これが冒頭で、この後、二人はそれぞれに苦悩をしていきます。
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最近、涙腺の弱くなった私は、この結末にホロリでした。映像で泣くならまだしも小説で泣くなんて！と思っていましたが、ここ最近、小説にも泣かされているあたり、私の価値観も買えなくては^^;
なぜ、この人の小説にハマったのかな？と考えてみたのですが、私が大好物とするタイプの心の動きが繊細に描かれているから、と気が付きました。心理描写を学ぶには小説が素晴らしい教科書となります。死と向きあう話なので、好き嫌いはあると思いますが、この本、オススメです。久坂部羊さん、オススメです。
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